君をひたすら傷つけて
「考えてみる。大事なことだからエマに相談してもいい?今はエマの事務所の社員だから、私の一存で受けるわけにはいかないし」
お兄ちゃんの言葉は嬉しかったけど、正直、自分に自信はなかった。篠崎海の存在はもちろん知っていた。でも、ニューヨークでの撮影を見ていると稀有な才能を持っていた。誰もを惹きつけるその才能を前に私は役に立てるとは思えなかった。
「もちろんだよ。雅がやろうと思った時にエマさんに言ってくれたらいい」
「わかった。ありがとう。お兄ちゃんが私のところにきた理由は篠崎さんのことだったのね」
「それもあるが、俺が雅に会いたかった。あの後、日本に帰国しているのは知っていた。でも、気になるものの、会いにいくのを躊躇してしまった。海が『雅に専属スタイリストの依頼』をして来いって言われなかったら、まだ、雅の前に出る勇気はなかった」
「アルベールのことも知っているのね」
「詳しくは知らないが、概要くらいは」
「聞きたい?」
「いや。必要ないだろ。俺にとって、雅が雅であるのは変わらないし、話したいと思えば聞くけど、俺から聞くことはないよ。昔、雅が大学に入った頃、一緒に食事に行ったのを覚えているか?あんな風にたまに食事に付き合ってほしいとは思うが」
「お兄ちゃんが連れて行ってくれた店は全部美味しかった」
「雅のお陰で接待の下見が出来たから俺も助かった」
「お兄ちゃんの仕事が暇な時で、私が暇だったらでいい?」
「もちろん」
お兄ちゃんの言葉は嬉しかったけど、正直、自分に自信はなかった。篠崎海の存在はもちろん知っていた。でも、ニューヨークでの撮影を見ていると稀有な才能を持っていた。誰もを惹きつけるその才能を前に私は役に立てるとは思えなかった。
「もちろんだよ。雅がやろうと思った時にエマさんに言ってくれたらいい」
「わかった。ありがとう。お兄ちゃんが私のところにきた理由は篠崎さんのことだったのね」
「それもあるが、俺が雅に会いたかった。あの後、日本に帰国しているのは知っていた。でも、気になるものの、会いにいくのを躊躇してしまった。海が『雅に専属スタイリストの依頼』をして来いって言われなかったら、まだ、雅の前に出る勇気はなかった」
「アルベールのことも知っているのね」
「詳しくは知らないが、概要くらいは」
「聞きたい?」
「いや。必要ないだろ。俺にとって、雅が雅であるのは変わらないし、話したいと思えば聞くけど、俺から聞くことはないよ。昔、雅が大学に入った頃、一緒に食事に行ったのを覚えているか?あんな風にたまに食事に付き合ってほしいとは思うが」
「お兄ちゃんが連れて行ってくれた店は全部美味しかった」
「雅のお陰で接待の下見が出来たから俺も助かった」
「お兄ちゃんの仕事が暇な時で、私が暇だったらでいい?」
「もちろん」