君をひたすら傷つけて
「お母さんはどんな色が好きなの?」

「何だろ。僕は青が好きだけど」

「高取くんのことは聞いてないって。でも、なんで青が好きなの」

「蒼空の青が好きなんだ。真っ直ぐに吸い込まれそうなほどに綺麗な空を見ると好きだなって思う。藤堂さんは?」

「好きな色?うーん。私も青は好きかな。春にね。青空の下で綺麗に映える桜の花が好きなの。淡いピンクの花びらが風で揺れて…で、お母さんはどんな色が好き?どんな人?」


 プレゼントのこともあったけど、高取くんのことをもっと知りたいと思う気持ちもあったから。

「頑張っている人って感じかな。仕事も家のことも必死で頑張っているから尊敬している。色はなんだろ。わかんないけど派手な物よりもシンプルな方が好きかもしれない。服も紺とがグレーとか多いし」


 高取くんのお母さんは専業主婦で家に毎日いるようなイメージだったから驚く。穏やかで優しく…陽だまりのようなイメージだったけど実際は違うらしい。それなら高取くんのお兄さんのような感じなのだろうか?


 それならキャリアウーマンも想像できる。お兄さんと高取くんはイメージが違いすぎる。そう思うのは高取くんを知れば知るほど思う。高取くんと一緒にいると穏やかな陽だまりに包まれる気がしてならない。この寒くて仕方ない駅までの道も温かく感じさせる。でも、お兄さんはそうではない。優しいのかもしれないけど私には厳しい人に見えた。
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