君をひたすら傷つけて
 駅前のショッピングセンターは思ったよりも多くの人がいる。三年生はさすがに居ないと思うけど学校を終わった高校生がたくさんいる。今まではそんなに気にしなかったけど、男の子と楽しそうに歩く女の子が妙に目に付く。私も周りからみれば同じように見えるのかもしれない。


 横には歩くだけで周りの視線を集める端正な顔を持つ高取くんがいて…。その高取くんを私は好きで、意識しないという方が無理だった。胸の高鳴りが煩すぎる。


 私と高取くんは駅前のショッピングセンターをゆっくりと見て回ることにした。エレベーターで一番上まで上がってゆっくりと降りながらプレゼントを探すことにした。高校生の私やさやかが行くような店の物を高取くんのお母さんが喜ぶとは思えない。

 かといって背伸びしすぎた店とかにも入ったけど、どれもこれもいいのか悪いのか分からない。大人の女の人が喜ぶものなんか思い付かないし、私が背伸びするのは敷居が高い気がした。


 服や靴は論外。小さなポーチとかもあるけど何かが違う。雑貨も見てみるけどこれがいいという決め手もない。どれも素敵だし、可愛いのもある。でも、決まらない。

「色々迷うね。こんなにいっぱいの物があるとは思わなかった」

「うん。あんまり私は役に立たないかも迷うばかりよ」

「そう?僕が一人で探すよりは全然いい。前に来た時は入れなかった店も今日は入ることが出来たよ」

「それならよかった」

 
 高取くんの言葉にホッとする。一番欲しいと思う言葉が分かっているのではないかと思うくらいに優しく。そして絶妙なタイミングで高取くんは微笑んだ。
< 69 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop