君をひたすら傷つけて
「お兄ちゃんは明日仕事?」

 元々、撮影が遅くなった上に、私の部屋の現場検証などで時間も掛かっていて、既に時間は午前三時を過ぎていた。

「午後から行けばいいだけだよ。明日は海の撮影もないし」

「そうなのね」

 いくら、芸能界は時間が不規則とはいえ、このようにイレギュラーなことはお兄ちゃんにとっても身体に負担は来ると思う。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。でも、時間が過ぎていくにしたがって、自分の部屋に誰かが入ったということが怖くなってきた。


「雅は寝れそうもないのか?」

「え?……うん。なんか、落ち着かなくて」

「あんなことがあったんだ。仕方ないよ。今日は雅が好きにしたらいい。寝れないなら、テレビを見てもいいし、DVDでもなんでもいい。まあDVDは海も出演したものしかないが」

「義哉の写真ってこの写真だけ?」

「いや。かなりあるよ。実家に置いておけないから、殆どをこっちに持ってきている。じゃ、コーヒーを飲みながら一緒に見ようか」

「いいの?」

「どうせ、寝れないだろ。それなら朝までコーヒーを飲みながらでも変わらないだろ」

「なんか寝れそうもないし嬉しい。でも、お兄ちゃんはいいの?」

「ああ。でも、先にシャワーを浴びてきてもいいか?朝から撮影だったから」

「うん」

「雅はシャワーはいいのか?」

「借りていいの?」


「じゃ、とりあえずシャワーを浴びておいで。その間に写真とコーヒーを準備しておく。雅が終ったら私がシャワーを浴びてくるから」
< 689 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop