君をひたすら傷つけて
篠崎海の婚姻届提出はたくさんの記者を引き連れてのものだった。でも、そんなたくさんの報道陣にも物怖じもせずに、篠崎さんは里桜ちゃんを庇いながら婚姻届を提出した。そして、二人は夫婦となり、幸せそうにマンションに帰っていった。
そんな二人の後姿を見送ってから、私はお兄ちゃんの運転する車の助手席にいた。お兄ちゃんは車に乗り込むと、珍しく大きな溜め息を零した。大事な篠崎さんの結婚会見、婚姻届提出が上手く運んでホッとしたのだろう。
「篠崎さんのこれからが楽しみね」
「ああ」
そんな話をしながらマンションまで戻っている途中で、お兄ちゃんの携帯が鳴り響いた。相手はさっき、別れたばかりの土浦社長からだった。スピーカーホンにすると、機嫌の悪そうな声が車の中に響いた。
『篠崎に新しい仕事が入った』
『いきなりですね。先ほど別れたばかりです。明日じゃだめですか?』
『篠崎海の特番を組んでくれるらしい。緊急生放送。篠崎海電撃結婚の真相に迫るだそうだ。正直なところ、映画が無ければ、この話は断るつもりだった。でも、この番組にさえ出れば、篠崎のマンションの囲み取材はしないと約束させた』
『先ほど二人になれたばかりなのに、私にそれを言えというのですか?』
『篠崎なら絶対に来る。藤森さんのこれからが変わるだろ。私も鬼じゃない。この取引が無ければ、応じるつもりはなかった』
『分かりました。出演については篠崎海に一任するということでいいですか?』
『ああ、分かったら連絡してくれ。出来れば15分以内に』
そんな二人の後姿を見送ってから、私はお兄ちゃんの運転する車の助手席にいた。お兄ちゃんは車に乗り込むと、珍しく大きな溜め息を零した。大事な篠崎さんの結婚会見、婚姻届提出が上手く運んでホッとしたのだろう。
「篠崎さんのこれからが楽しみね」
「ああ」
そんな話をしながらマンションまで戻っている途中で、お兄ちゃんの携帯が鳴り響いた。相手はさっき、別れたばかりの土浦社長からだった。スピーカーホンにすると、機嫌の悪そうな声が車の中に響いた。
『篠崎に新しい仕事が入った』
『いきなりですね。先ほど別れたばかりです。明日じゃだめですか?』
『篠崎海の特番を組んでくれるらしい。緊急生放送。篠崎海電撃結婚の真相に迫るだそうだ。正直なところ、映画が無ければ、この話は断るつもりだった。でも、この番組にさえ出れば、篠崎のマンションの囲み取材はしないと約束させた』
『先ほど二人になれたばかりなのに、私にそれを言えというのですか?』
『篠崎なら絶対に来る。藤森さんのこれからが変わるだろ。私も鬼じゃない。この取引が無ければ、応じるつもりはなかった』
『分かりました。出演については篠崎海に一任するということでいいですか?』
『ああ、分かったら連絡してくれ。出来れば15分以内に』