君をひたすら傷つけて
単なるドレスの試着なのに、ファッションショーさながらになっている。普通なら二三枚でも十分なのに、神崎くんは音楽でも奏でるようにシャッターを切り続けた。
「このくらいいいかな。全部のドレスの写真を取るなら、さっさとしないと真夜中になる」
さっきまで夢中になって、里桜ちゃんと篠崎さんの写真を撮っていたくせに、ふっと現実に戻ると天邪鬼が顔を出す。
「いいじゃない。幸せそうだから」
「物には限度があるから」
そんなやり取りをしながら、里桜ちゃんは7着のドレスを着て、神崎くんは写真を撮り続けた。そして、最後の一枚まで来ると、私だけでなく里桜ちゃんの顔にも疲れが出ていた。
「里桜ちゃん疲れたよね。でも、このドレスが一押しだから頑張って」
「一押し?」
「篠崎くんが選んだドレスで、このドレスは一段と華やかなの。無駄な装飾はないけど、雅人の今年のカタログの表紙だし」
このアトリエに入った場所に飾られていたドレスは、その横のコンソールテーブルの上に置かれたカタログの表紙になっていた。
胸元のカットも綺麗だけど、スカート部分が何枚ものオーガンジーを重ねていて、花弁がひらりと舞ったように感じさせた。背中のリボンも裾も長くされてある。それに一番軽かった。日本での式ならどんなものでもいいけど、イタリアになると、皺が付きにくく、軽く持ち運びも便利な方がいい。
このドレスはその条件にも合っていた。
「里桜ちゃん。これが一番似合っている。篠崎くん次第だけど、私はこれが一番似合っていると思う。本当に綺麗」
「このくらいいいかな。全部のドレスの写真を取るなら、さっさとしないと真夜中になる」
さっきまで夢中になって、里桜ちゃんと篠崎さんの写真を撮っていたくせに、ふっと現実に戻ると天邪鬼が顔を出す。
「いいじゃない。幸せそうだから」
「物には限度があるから」
そんなやり取りをしながら、里桜ちゃんは7着のドレスを着て、神崎くんは写真を撮り続けた。そして、最後の一枚まで来ると、私だけでなく里桜ちゃんの顔にも疲れが出ていた。
「里桜ちゃん疲れたよね。でも、このドレスが一押しだから頑張って」
「一押し?」
「篠崎くんが選んだドレスで、このドレスは一段と華やかなの。無駄な装飾はないけど、雅人の今年のカタログの表紙だし」
このアトリエに入った場所に飾られていたドレスは、その横のコンソールテーブルの上に置かれたカタログの表紙になっていた。
胸元のカットも綺麗だけど、スカート部分が何枚ものオーガンジーを重ねていて、花弁がひらりと舞ったように感じさせた。背中のリボンも裾も長くされてある。それに一番軽かった。日本での式ならどんなものでもいいけど、イタリアになると、皺が付きにくく、軽く持ち運びも便利な方がいい。
このドレスはその条件にも合っていた。
「里桜ちゃん。これが一番似合っている。篠崎くん次第だけど、私はこれが一番似合っていると思う。本当に綺麗」