君をひたすら傷つけて
「連絡はしてないのか?」
「しないわ。だって、アルベールは一族の為にモデルの成功も全て捨てて戻ったのよ。その覚悟を邪魔してはいけないの」
「正直に言うと、雅に海のスタイリストを抜けられると厳しい。でも、雅が幸せになるためなら、どうにでもしてやるから。素直に言って欲しい」
「大丈夫。今、本当に幸せなの」
その言葉に嘘はなかった。
「俺に嘘は言うな。それだけは約束して欲しい」
「分かった」
お兄ちゃんのマンションに戻るとシャワーを浴びてから、すぐにベッドに潜り込んだ。お兄ちゃんのさっきの言葉を思い出しながら、目を閉じると義哉の顔が思い浮かんだ。今も切り裂くような痛みを覚えるほど好きで、愛しているただ一人の人。思い出すだけで涙が浮かぶほど愛している。時間の流れは思い出を擦切らせそうになるのを必死で縫い留めようとする私は……。
まだ、愛している。
まだ、恋をしている。
いつの間にか寝たのか、カーテンから薄い筋が白く私の部屋を彩っていた。ゆっくりと身体を起こし、ベッドから出て、リビングに行くと人の気配はなかった。時間を見るとまだ八時を過ぎたくらいで、そろそろ私も仕事に行く準備をする時間になっていた。
確か、お兄ちゃんと篠崎さんは11時から仕事と言っていたけど、居ないということなら、きっと、急な仕事が入ったかもしれない。
コーヒーを飲んで、ぼーっとテレビを見ていると、コマーシャルが流れた。それは懐かしいフランスの街並みをスキップしながら歩くタレントが不意に立ち止まり、ポケットから出したお菓子を口に入れるものだった。フランスの街並みを見ながら私はアルベールを思い出した。
「しないわ。だって、アルベールは一族の為にモデルの成功も全て捨てて戻ったのよ。その覚悟を邪魔してはいけないの」
「正直に言うと、雅に海のスタイリストを抜けられると厳しい。でも、雅が幸せになるためなら、どうにでもしてやるから。素直に言って欲しい」
「大丈夫。今、本当に幸せなの」
その言葉に嘘はなかった。
「俺に嘘は言うな。それだけは約束して欲しい」
「分かった」
お兄ちゃんのマンションに戻るとシャワーを浴びてから、すぐにベッドに潜り込んだ。お兄ちゃんのさっきの言葉を思い出しながら、目を閉じると義哉の顔が思い浮かんだ。今も切り裂くような痛みを覚えるほど好きで、愛しているただ一人の人。思い出すだけで涙が浮かぶほど愛している。時間の流れは思い出を擦切らせそうになるのを必死で縫い留めようとする私は……。
まだ、愛している。
まだ、恋をしている。
いつの間にか寝たのか、カーテンから薄い筋が白く私の部屋を彩っていた。ゆっくりと身体を起こし、ベッドから出て、リビングに行くと人の気配はなかった。時間を見るとまだ八時を過ぎたくらいで、そろそろ私も仕事に行く準備をする時間になっていた。
確か、お兄ちゃんと篠崎さんは11時から仕事と言っていたけど、居ないということなら、きっと、急な仕事が入ったかもしれない。
コーヒーを飲んで、ぼーっとテレビを見ていると、コマーシャルが流れた。それは懐かしいフランスの街並みをスキップしながら歩くタレントが不意に立ち止まり、ポケットから出したお菓子を口に入れるものだった。フランスの街並みを見ながら私はアルベールを思い出した。