君をひたすら傷つけて
「わかったわ。エマ、雅。これからもよろしくね。出産近くまで頑張って働かせてもらう」

「もちろんよ。さ、今度の篠崎海のミラノ映画祭への出品の件で会議をしようと思うけど、雅の都合は??」

「いつでも大丈夫」

「まりえ。会議用に買ったケーキがあるからコーヒーをお願い」

「え?ケーキ??体重制限あるのに??」

 妊娠中は体重に気を付けないといけない。それなのにケーキとなるとまりえは食べれない??エマともあろう人がそんな気が利かないことをするとは思わなかった。

「大丈夫。低カロリーでも美味しく食べられるって店のお取り寄せよ。リズがフランスに戻っている間にダイエットをしようと思っているの。リズの料理は美味しいけど、つい食べ過ぎるし、ワインも飲みたくなる。だから、この機会にまりえと一緒に健康にダイエットしようと思ってる。このケーキは低カロリー高たんぱく。食物繊維は豊富だし。血糖値の上昇も緩やか。甘いものを我慢は出来ないけど、健康で食べれば食べただけ健康になるのなら、それもいいでしょ」

 エマは自分のダイエットと言いながらもきっとまりえの為に取り寄せたのだろう。綺麗なスタイルのエマにダイエットは必要ない。

「ありがと。エマ」

 そういって笑うまりえを見ながら幸せだと思った。

 和やかな雰囲気で始まった会議はこれからの会社の運営をどうするか、私がミラノに行っている間の仕事の分担についてどうするかだった。エマの仕事は忙しい。アシスタントなしで私がイタリアに行っている間を乗り切るには並大抵の努力が必要となるのを感じていた。
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