君をひたすら傷つけて
「俺はタキシードを着るだけだから大丈夫。後から、チェックしてくれると助かる。リズさんが来てくれるとは思わなかったから嬉しいよ。リズさんは聖とも仲がいいから、相乗効果が凄そうだな」

「聖は結婚式や披露宴のパーティの時にビデオカメラを回すことになっている」

 リズが昔、エマと一緒にニューヨークを拠点に仕事をしていたのも知っている。その頃はスタイリストだけではなくモデルの仕事もしていたということも。その時に橘聖と一緒に仕事をしていたのも聞いたことはある。その頃は今の姿とは違う姿だったということも……。

 写真が神崎くんで、ビデオが世界的に有名な映画監督の橘聖。メイクにはパリコレでも活躍しているリズが参加するから、豪華な結婚式になりそうだった。

「わかりました。篠崎さんのタキシードは新郎控室に準備してます。里桜ちゃんの準備が終わり次第、控室の方に行きます」

「ありがとう。雅さん。じゃ、また後から」

 そういうと篠崎さんは控室に行ってしまい、神崎くんは銀色のジュラルミンケースを担ぎなおしながら、私と高取さんを見た。

「俺はカメラのセッティングをしてから、一応スーツには着替えるよ。スーツ着てからじゃ、アングルを探すのに動きにくい」

「頼むな。神崎」

「写真集に使いたいから、教会の周りとかも先に撮影しておく。里桜さんの準備が出来たら、ご両親との写真も」

 教会の入り口残された私が見上げると、お兄ちゃんはフッと笑った。
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