君をひたすら傷つけて
 リズと一緒に里桜ちゃんの控室に入ると、里桜ちゃんのご両親も散策から戻ってきていて、楽しそうに話をしていた。私とリズが入っていくると、里桜ちゃんはスッと立ち上がった。

「里桜。今日はおめでとう」

「ありがとうございます。リズさんが来てくれて嬉しいです」

「里桜はやっぱり可愛いわ。私が里桜の結婚式に来たくて来たから。あ、あちらがご両親?」

「はい」

 リズは里桜ちゃんのご両親の前に行くと、スッと手を差し出した。

「初めまして、私は雅の友達のリズと言います。本日はおめでとうございます。今日は里桜のメイクの手伝いに来ました」

「里桜の父の藤森浩太郎とと言います。今日は娘のためにどうもありがとうございます。娘は幸せです」

「お任せください。一生懸命頑張ります」

 リズと里桜ちゃんのお父さんが握手をしているのを見ながら、私は今から頑張らないといけないと思っていた。

 里桜ちゃんのご両親を別の控室にお連れしてから、私が控室に戻ると、既にリズがメイクの準備を始めていた。最初に髪をどうするか、鏡の中に映った里桜ちゃんの髪を触り、ドレスを見ながら、手の中で巻いたり、肩まで下ろしたりと色々と考えているようだった。戻ってきた私を見て、ニッコリと笑った。

「素敵なご両親ね」

「ええ。本当に素敵な二人なの。結婚っていいなって思ったの」

 私が控室のドアを見つめると、後ろからリズがふわっと私の身体を抱き寄せた。リズの香りが私を包み、その腕にそっと手を添えた。

「雅からそんな言葉を聞けるとは思わなかった。でも、いい傾向。ローマで観光を一緒にしたって聞いたけど?」

「そうなの。おば様たちと一緒に観光をしたり、観光をしたり。凄く楽しかったの」

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