君をひたすら傷つけて
 里桜ちゃんのネイルはシンプルな中にも可愛らしさがある綺麗なデザインだった。ピンクのネイルの間にキラキラとした金粉を入れてあるので、ライトが当たるとキラキラと輝き、ツルリとした爪の表面は手を綺麗に見せた。

「さすがリズ。手がとっても綺麗」

 私はその間に里桜ちゃんの前に立ち、基礎化粧からしていくことにした。ベースまで作るのは出来るけど、リズがいるから、細かなところはリズの指示に従おうと思った。里桜ちゃんの肌は元々綺麗だから、ファンデーションを濃くする必要はない。ベースメイクの時点で十分綺麗だった。さっきまでしていたマッサージの効果も十分に出ている。

「リズ。ファンデーションはどうする?」

「そうね。薄目でいいわ。色はそうね、1と4を同量がいいかも」

「それならフェイスパウダーは明るめがいいわね」

 ベースメイクを塗り、ファンデーションを塗り、パウダーチークとフェイスパウダー。アイラインは優しいブラウン。マスカラも丁寧につけると、後は口紅だけだった。

 淡いピンクの口紅にグロスを少し乗せて艶をつけると完成だった。

 リズの指示は的確で、髪のセットを最後までしながら、メイクの指示を出していく。私はその指示に従いつつも、自分の意見を言うと、リズは受け入れてくれる。今までのアシスタントとは違う私がいた。スタイリストとアシスタントではなく、スタイリストが二人で作業している。

 そんな感じだった。
 リズと私の共同作業で出来た里桜ちゃんのヘアメイクは完璧だと思った。

「雅さん。リズさん。ありがとうございます」
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