君をひたすら傷つけて
「雅さん。これ」

 里桜ちゃんは私が自分が使うために持ってきたものだと分かったようだった。でも、里桜ちゃんが幸せになれるというなら使って欲しい。私は何もなくても別に構わない。今日の主役は里桜ちゃんなのだから……。

「里桜ちゃんが幸せになるのに役立つなら嬉しいから使って」

 里桜ちゃんの髪に真珠の髪飾りをつけると、とても似合っていた。

「雅さん。リズさん。ありがとうございます」

「さ、おじ様たちを呼んできましょう。綺麗な里桜ちゃんを見たら驚くわ」

 私とリズは部屋を出て、別の控室にいる里桜ちゃんのご両親に準備が出来たことを報告してから、私も準備することにした。自分のバッグとメイク道具を持って別の控室に入ってきたリズは荷物を床に置くと私のことを抱き寄せた。

「さっきの雅。凄かった。一緒にパリで仕事をしていた時とは一段と違った。もう、一人前のスタリストね」

「そんなことないわ。里桜ちゃんを綺麗にしてあげたいと思っただけよ。それに私の方こそ、リズが凄いって改めて思った。まだまだ、頑張らないとって。髪をセットするのも早いし綺麗だし。ネイルも凄かった」

「そう?そう思ってくれたら嬉しい。でも、雅に追いつかれないように私も頑張らないといけないわね。まだ追いつかれるつもりはないから。
 さ、そろそろ雅も着替えるでしょ。メイクとかは私がしてあげる。ワンピースはいつもよく着ているのでいいの?」

「それが、高取さんが用意してくれたの。今日の結婚式で着るようにって」
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