君をひたすら傷つけて
「神崎くんらしいですね。でも、治安の面で少し心配もあるので高取さんの気持ちは分かります」

「でも、神崎くんは行くでしょうね。それで、高取さんは困らないように手配すると思うわ。それにしても、イタリアにきて、どのくらいの写真を撮ったのかしら。日本に帰って、整理が大変そう」

「そうかもしれないです」

 里桜ちゃんと二人で話していると、リズと一緒に篠崎さんも帰ってきた。手にはさっきの量よりも多くの料理が並んでいる。だれがこんなに食べるのだろうかという量だった。さすがリズと言うべきか、大量の料理が、綺麗に盛られてある。センスの良さをこういうところでも発揮していた。

「たくさん持ってきたのね。こんなに食べれるの?」

 リズは私の目の前にお皿を置き、篠崎さんは隣のテーブルにお皿を置くと、里桜ちゃんは隣のテーブルに移っていった。

「凄い料理よ。前菜も凄かったけど、今、出されている料理も凄いの。美味しそうだし、凝った造りをされてあるの繊細な料理は魅力的よ。いくらでも食べれそう」

「里桜。さ、俺たちも楽しもう」

「そうよ。いっぱい食べておかないと朝までもたないわよ」

 リズはクスクス笑いながら、目の前にある生ハムにフォークを差すと優雅に口に運んだ。そして、シャンパンを一気に飲み干し、ウェーターに新しいグラスを持ってくるように頼んだ。里桜ちゃんは目の前に置かれた皿を見て、篠崎さんを見つめた。

「こんなに食べれません」

「あら、今夜に向けて体力は必要よね。海斗。でも、体力がいるのは里桜ちゃんじゃなくて、海斗ね」

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