君をひたすら傷つけて
「叶くんって小学生よね。今どきの小学生ってあんなに可愛いものなの?スタイルはいいし、腰の位置も高い」

 顔は端正で、肌は白く透き通るようだった。漆黒の髪は後ろに流され、子どもが結婚式に参加するようなシャツにズボン。そしてネクタイだけなのに、足の長さといい、スタイルの良さといい恵まれた体躯をしていた。

 10歳でこれなら、妙齢になったら、橘さんを超えるモデルになるだろう。

「あの子は特別よ。昔、ニューヨークに来て、アシスタントをしていた聖が大事に隠し持っていた写真を見たことあるけど、叶くんのお母さんはとんでもないくらいに美少女だったわ。当時、聖が一目惚れして口説いて、やっと付き合って貰ったけど、捨てられたって言っていた。あの聖が捨てられたのにも関わらず、写真を捨てれないほど好きだった女の子らしいわ。聖の遺伝子だけでも凄いのに、あの美少女の遺伝子まで掛け合わせているのよ。可愛くないわけないわ」

「遺伝子か……。橘さんに似ているけど、どこか優しい雰囲気があるのはその奥さんの遺伝子なのかもしれないわね」

「もしも雅が結婚して、子どもを産んだら、私、絶対に可愛がるから」

「そんな日がくればね」

「これからのことなんて分からないでしょ。私はともかく、雅はまた恋をするだろうし、そしたら、結婚して子どもを持つかもしれないでしょ」

「でも、私の前にまりえが産むでしょ」

「もちろん、まりえの子も可愛がるわ。だって、私の姪みたいなものだし。でも、雅も楽しみにしているから。私の楽しい老後のためにも頑張って」

 
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