君をひたすら傷つけて
「里桜ちゃんの素直なところが素敵だと思うわ。ずっとこのままでいてね」

「私は雅さんの真っすぐなところが素敵だと思います。これからもよろしくお願いします」

 里桜ちゃんと話をしていると、お兄ちゃんがやってきた。私の方をみて、ニッコリ笑ってから、里桜ちゃんの方を見つめた。

「里桜さんは海斗の傍に行ってもらっていいですか?ホテルへのタクシーを準備しました。来賓の挨拶をしてから、順に案内します」

 私が席に座ると、その前にお兄ちゃんが座った。パーティの間もずっと動き回っていた。

「何か飲む?それとも食べる?」

「今はいいよ。海斗の結婚式だから、なんか緊張してしまって、何も入らない。ホテルに戻ったらお腹が空くのかもしれないな。リズさんはもう行ったのか?」

「うん。明日から仕事だし」

「雅の仕事は?」

「オフを貰ってる」

「海斗と里桜さんは一日だけど新婚旅行に行く。里桜さんのご両親と、聖と叶くんは明日の飛行機で日本に帰る。神崎はイタリアで撮影旅行をするらしい。
 雅はどうする?」

「お兄ちゃんは?」

「海斗のオフに合わせて、俺もオフを取っている。久しぶりにイタリアを観光してもいいと思っている。雅も一緒に観光しないか?」

「それはいいけど、篠崎さんが受賞したから、忙しくなるんじゃない?日本に戻らなくていいの?」

「忙しくなるのは分かっているから、その前に少し休みたい。日本からミラノ。そして、フィレンツェだろ。さすがに疲れる。日本に戻ったら、しばらく帰れないくらいに忙しくなるから、今のうちに休んでおきたい」
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