君をひたすら傷つけて
私は里桜ちゃんがワンピースを着ている間に脱いだドレスを畳んで箱の中に入れた。その中に飾りなども全部入れていく。そして、里桜ちゃんの着替えが終わってから、少し化粧を抑えたものにして、髪を手早く緩めると、ピンを外していった。そして、誰でも簡単に解ける状態にした。
「そろそろ行きましょ。待っていると思うから」
里桜ちゃんの準備が終わってから控室を出ると、篠崎さんとお兄ちゃんはワインを飲んでいた。誰も居なくなって、二人でお祝いしているのだろう。お兄ちゃんはネクタイを緩め、いつもマンションの部屋にいるような寛いだ表情を浮かべていた。
「高取さんも緊張していたから、終わってホッとしたのかもね。珍しいわ。外であんな顔するなんて」
控室から出てきた里桜ちゃんと私を見て、篠崎さんはすぐにきて、里桜ちゃんの手と私の手から荷物を取った。
「自分で持てます」
「いえいえ。一応、男ですから、荷物を持たせてください」
そういうと、篠崎さんは里桜ちゃんの荷物と私の荷物を持つと玄関の方に歩いていく。すると、お兄ちゃんは私の手に残っているメイクボックスを取った。
「足元に気を付けて」
タクシーに乗り込んでホテルに戻ることになった。前のタクシーに篠崎さんと里桜ちゃんは乗って、後ろのタクシーには私とお兄ちゃんが乗った。荷物が多いから、二台になるのは仕方ないことだった。私はタクシーの窓から外の綺麗な景色に視線を奪われた。
既に陽の落ちたフィレンツェの夜は日本の眩いネオンとは違い、柔らかい優しい光がともすようだった。レンガ造りの建物の醸し出す陰影に、古き良き時代の繁栄を残した景色に見とれていた。
「そろそろ行きましょ。待っていると思うから」
里桜ちゃんの準備が終わってから控室を出ると、篠崎さんとお兄ちゃんはワインを飲んでいた。誰も居なくなって、二人でお祝いしているのだろう。お兄ちゃんはネクタイを緩め、いつもマンションの部屋にいるような寛いだ表情を浮かべていた。
「高取さんも緊張していたから、終わってホッとしたのかもね。珍しいわ。外であんな顔するなんて」
控室から出てきた里桜ちゃんと私を見て、篠崎さんはすぐにきて、里桜ちゃんの手と私の手から荷物を取った。
「自分で持てます」
「いえいえ。一応、男ですから、荷物を持たせてください」
そういうと、篠崎さんは里桜ちゃんの荷物と私の荷物を持つと玄関の方に歩いていく。すると、お兄ちゃんは私の手に残っているメイクボックスを取った。
「足元に気を付けて」
タクシーに乗り込んでホテルに戻ることになった。前のタクシーに篠崎さんと里桜ちゃんは乗って、後ろのタクシーには私とお兄ちゃんが乗った。荷物が多いから、二台になるのは仕方ないことだった。私はタクシーの窓から外の綺麗な景色に視線を奪われた。
既に陽の落ちたフィレンツェの夜は日本の眩いネオンとは違い、柔らかい優しい光がともすようだった。レンガ造りの建物の醸し出す陰影に、古き良き時代の繁栄を残した景色に見とれていた。