君をひたすら傷つけて
私はいつも持ち歩いているスケジュール帳の一番後ろに入れている封筒を取り出す。そこに入っているのは前にお兄ちゃんから貰った義哉の写真だった。写真の中の義哉は私の大好きな笑顔で私を見つめている。写真の中の義哉はまだ高校生のままなのに、私は年を重ねていく。
分かっていたこと。義哉から付き合いだす最初に言われたことは分かっていた。自分には時間がないから、私を苦しめるから、悲しませるから付き合えないと。でも、私はその残された時間が欲しかった。最後の最後まで手を握っていたかった。
そして、その我儘を通したから、この苦しみも受け止めないといけない。『君をひたすら傷つけて』と言った義哉の気持ちを受け止めないといけない。
でも、苦しかった。
窓辺のソファに座り、義哉の写真を見つめていると、玄関のチャイムが鳴った。誰かと思って覗き窓から覗くと、そこにはお兄ちゃんが居た。ドアを開けると、さっき別れた時の格好のままそこにいた。
「どうしたの?」
「やっと仕事関係の連絡が終わったから、ワインでも飲もうかと思って。雅もどうかなって思ってきた。でも、ボトルなら一人では多いから、雅を誘いに来た」
「メールしてくれたらよかったのに」
「そうだな。マンションのつもりでついチャイム押してしまった。ルームサービスを取るから一緒に飲まないか?」
お兄ちゃんの言う通りだった。一緒に住んでいるから、何か用事があると、お互いに部屋のドアをノックする。考えてみれば、ワインを飲むのに、メールなんかしたことない。
「分かった。でも、もう少ししてからでいい?シャワー浴びてからお兄ちゃんの部屋に行くから」
分かっていたこと。義哉から付き合いだす最初に言われたことは分かっていた。自分には時間がないから、私を苦しめるから、悲しませるから付き合えないと。でも、私はその残された時間が欲しかった。最後の最後まで手を握っていたかった。
そして、その我儘を通したから、この苦しみも受け止めないといけない。『君をひたすら傷つけて』と言った義哉の気持ちを受け止めないといけない。
でも、苦しかった。
窓辺のソファに座り、義哉の写真を見つめていると、玄関のチャイムが鳴った。誰かと思って覗き窓から覗くと、そこにはお兄ちゃんが居た。ドアを開けると、さっき別れた時の格好のままそこにいた。
「どうしたの?」
「やっと仕事関係の連絡が終わったから、ワインでも飲もうかと思って。雅もどうかなって思ってきた。でも、ボトルなら一人では多いから、雅を誘いに来た」
「メールしてくれたらよかったのに」
「そうだな。マンションのつもりでついチャイム押してしまった。ルームサービスを取るから一緒に飲まないか?」
お兄ちゃんの言う通りだった。一緒に住んでいるから、何か用事があると、お互いに部屋のドアをノックする。考えてみれば、ワインを飲むのに、メールなんかしたことない。
「分かった。でも、もう少ししてからでいい?シャワー浴びてからお兄ちゃんの部屋に行くから」