君をひたすら傷つけて
「確かに飲んだ後にシャワーを浴びるのは面倒だな。部屋に帰ったらすぐに寝れるようにした方が楽だな。じゃ、準備が出来たらおいで」

「うん」

 お兄ちゃんはさっきの結婚パーティであまり料理を食べているようには見えなかった。ずっと動いていたら、今から食事も兼ねるのだろう。

 私は窓辺に置いたままにしてある義哉の写真をまた元のように封筒に入れ、スケジュール帳の中に片付けると、私はシャワーを浴びることにした。お兄ちゃんから貰ったワンピースは綺麗に畳んで、スーツケースに入れ、中から取り出したのは、柔らかい素材で出来た部屋着だった。

 シャワーを浴び、軽く髪を纏めると、自分のルームキーを持って、お兄ちゃんの部屋に行くことにした。真ん前の部屋だから、ドアを開けて数歩で、チャイムに手が届く。チャイムを押すと、すぐにお兄ちゃんが出てきて、部屋の中に入れてくれた。

「早かったな」

「うん。まだ、髪は完全に乾いてないけど、そのうち乾くかなって」

 部屋の奥にはソファとテーブルがあり、その上にワインといくつかの料理が並んでいた。単なるワインのツマミだけでなく、サラダやパスタもあった。

「やっぱり、さっきの結婚パーティで食べれなかったのね」

「少しは食べたけど、色々することがあったから、少し足りなくて。とりあえずルームサービスを取ってみた。雅は食べれるだけ食べたらいいから、付き合ってくれたら嬉しい」
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