君をひたすら傷つけて
「今回の映画祭で審査員特別賞を受賞したから、お兄ちゃんの苦労も報われたね」
お兄ちゃんが篠崎さんのためにどれだけ心を砕いてきたのか知っているから、あの篠崎さんが受賞したと聞いた時に本当に良かったと思った。
「そうだな。でも、苦労じゃなくて、楽しかった。海のマネージャーをして良かったと思う。義哉が亡くなり、雅がフランスに行った。その時に自分の中に空虚感を覚えた。仕事はあるけど、自分の中の生きる支えが無くなったような気がしていた時だったから、本当に良かったと今でも思う」
私は自分のことで精一杯だった。でも、私よりもお兄ちゃんの方が苦しかったのだろう。大事な弟を亡くしたのだから……。話し始めたお兄ちゃんからは心の奥底あったような言葉が零れだす。その言葉を聞きながら、私はまた胸の奥が苦しくなった。
「いい結婚式だったし、いい結婚パーティだった」
私がそういうと、お兄ちゃんは頷く……。そして、二人で篠崎さんの幸せを祈りながら、ワインを飲んだ。二本目のボトルが空き、さすがに飲み過ぎたと感じた私は自分の部屋に戻ることにした。シャワーを浴びてきて本当によかった。部屋に帰ってベッドに横になればすぐに寝れそうだった。
「そろそろ寝るわ」
そういって立つと、お兄ちゃんは私の手を握った。
「もう少しここに居ないか?飲ませた俺も悪いけど、雅、飲みすぎだろ。水を持ってくるから、少し酔いが醒めてから、部屋に戻った方がよくないか?」
お兄ちゃんが篠崎さんのためにどれだけ心を砕いてきたのか知っているから、あの篠崎さんが受賞したと聞いた時に本当に良かったと思った。
「そうだな。でも、苦労じゃなくて、楽しかった。海のマネージャーをして良かったと思う。義哉が亡くなり、雅がフランスに行った。その時に自分の中に空虚感を覚えた。仕事はあるけど、自分の中の生きる支えが無くなったような気がしていた時だったから、本当に良かったと今でも思う」
私は自分のことで精一杯だった。でも、私よりもお兄ちゃんの方が苦しかったのだろう。大事な弟を亡くしたのだから……。話し始めたお兄ちゃんからは心の奥底あったような言葉が零れだす。その言葉を聞きながら、私はまた胸の奥が苦しくなった。
「いい結婚式だったし、いい結婚パーティだった」
私がそういうと、お兄ちゃんは頷く……。そして、二人で篠崎さんの幸せを祈りながら、ワインを飲んだ。二本目のボトルが空き、さすがに飲み過ぎたと感じた私は自分の部屋に戻ることにした。シャワーを浴びてきて本当によかった。部屋に帰ってベッドに横になればすぐに寝れそうだった。
「そろそろ寝るわ」
そういって立つと、お兄ちゃんは私の手を握った。
「もう少しここに居ないか?飲ませた俺も悪いけど、雅、飲みすぎだろ。水を持ってくるから、少し酔いが醒めてから、部屋に戻った方がよくないか?」