君をひたすら傷つけて
「ただ、少し疲れたのはあるわ。里桜ちゃんのご両親と観光したり、結婚式にパーティでしょ。一生に一度の結婚式だし、コレクションや撮影のメイクとは違うし。リズがいてくれてよかったと思う。結構緊張したし」

「確かにそれは疲れるわね。今日はエマも撮影に行っているから、ゆっくりしたらいいわ。私も簡単な仕事を終わらせたら帰るつもりなの。雅がよかったら、ウチに来ない。今日は旦那は残業だから、私ひとりなの。何か作って一緒に食べましょ」

 まりえの料理を楽しめるのはいいけど、昨日のことがあるからか、新婚のマンションに行くのは躊躇する。今は人の幸せを見ると、また迷惑を掛けてしまいそうで怖かった。

「ありがとう。でも、あんまり食欲なくて。疲れが溜まっているからだと思うけど」

「体調が悪いなら、食欲はないかもしれないけど、マンションに帰ったら、少しは何がお腹に入れてね」

「ありがとう。まりえ」

 私はまりえの横でパソコンを開くと、メールに添付された仕事の依頼をスケジュール帳に書き込んでいく。その中にはお兄ちゃんからのメールが殆どで、テレビ局でのインタビューに雑誌の撮影など、しばらくは分刻みの仕事の量だった。

 スケジュールと共にスタイリングの打ち合わせをしたいとメールがあり、殆どはスーツだけど、落ち着いたスーツに合わせて、ネクタイも選んで欲しいし、シャツの色も選んで欲しいとのことだった。

「雅。仕事、そんなに来ているの?」
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