君をひたすら傷つけて
「そうね。今日はオフのつもりだったけど、明日が忙しそうだから、その前に一仕事しないといけなさそう」

「エマが喜びそうね」

 エマが日本に事務所を開いて、しばらく経つけど、業績も好調で、新規の仕事も増え続けている。人数的に捌くのが難しい分量になってきたけど、エマは仕事の忙しさから、目を背けている。少数精鋭いうのは言葉で誤魔化されているような気がするくらいに、エマとまりえと私、時々リズという事務所は妙に忙しい。

「確かに。さ、いくつかメーカーを回ってくる。素敵なスーツやネクタイがあればいいけど。いつもより少し明るめのネクタイがいいかも。新婚だし」

「篠崎海が身に纏えば、喪服でもキラキラしそう。どれでも素敵になると思うけど今から行くの?オフなのに仕事なんてもの好きよね」

 確かに彼なら安物の服でもそれなりに見えるかもしれない。手足が長いからどんな服もよく似合う。そして、仕事が休みなのに、こんな風に事務所にきて仕事をしているのだから、お兄ちゃんのことを私も言えないかもしれない。

「本当にリズもエマも雅も仕事をしすぎよ。たまには休むことも大事だし」

「分かっているけど、根が貧乏性なのかもしれないわ」

 少し肩を竦めてから、まりえは自分のパソコンに視線を戻した。

 
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