君をひたすら傷つけて
 今日の衣装を届けたら、その後はスタイリングだけど、それを篠崎さんがしてさえくれれば、私は里桜ちゃんを迎えに行くことが出来る。

 二人で美味しいものを食べてからゆっくりするのもいいかもしれない。

 そんなことを考えていると、もう一度お兄ちゃんからメールが来て、さっきよりも詳しい便名。二人が乗っているビジネスクラスの席の場所などが書かれてあった。

 篠崎さんがマスコミを引き連れて行った後に里桜ちゃんが出てきて、私と合流。それから、里桜ちゃんをマンションに送るまでが私が頼まれたことだった。

 私は着替えを終わらせると色々考えた末に車で行くことにした。荷物もあるだろうし、公共の交通機関で人の目に晒されるよりはいいと思った。

 空港に行くと、一昨日、自分が帰って来た時とは全く違っていた。お兄ちゃんが言ってたように篠崎さんが帰国することが大々的に報道されたのだろう。漏れたというレベルではなかった。

 出国ゲートのところにはマスコミやファンと思われる女の子が人混みを作っている。カメラにマイクに…。女の子の手には名前を書いたボードなども見える。十重二十重の人波に私は少し離れたところから里桜ちゃんを待つことにした。

 想像以上の人混みに私は時間が掛かるだろうと思った。とりあえず、里桜ちゃんにメールをして、動くのはそれからだと思った。少しでも早く里桜ちゃんの不安を取り除いてあげたいと思った。
< 951 / 1,105 >

この作品をシェア

pagetop