君をひたすら傷つけて
私が思う以上に高取くんの時間は残ってないかもしれない。時間の砂はサラサラと無情に落ちて行くかもしれない。その砂の流れを止めることが出来ないと言うのなら、その一瞬を大事にして、最後の一粒が流れ落ちるまで高取くんの傍にいて、私の思いを伝えたいと思う。
この恋の終わりは悲しい結末が待っているとしても。
私は仕事に行くというお兄さんと別れ、高取くんのいる病院に向かった。ナースステーションの横を過ぎて看護士さんとすれ違うのも慣れた。病室の前ですぐには開けずに、深呼吸して、自分の口角を人差し指でグッと持ち上げて微笑みを作る。
お兄さんに聞いた内容は心のどこかで想像はしていたけど、そうでないと思いたかった。
笑顔を作って病室に入った私に高取くんは優しい微笑みを浮かべる。その優しい微笑みに心が揺れた。
『こんなに素敵な笑顔をくれるのに、私の前からいなくなる』
さっきお兄さんに聞いたことが嘘のように穏やかでこの人に時間が残っていないとはどうしても思えなかった。でも、お兄さんのあの真剣な表情に嘘はない。
高取くんには私からは何も言えない。言えなかった。
この恋の終わりは悲しい結末が待っているとしても。
私は仕事に行くというお兄さんと別れ、高取くんのいる病院に向かった。ナースステーションの横を過ぎて看護士さんとすれ違うのも慣れた。病室の前ですぐには開けずに、深呼吸して、自分の口角を人差し指でグッと持ち上げて微笑みを作る。
お兄さんに聞いた内容は心のどこかで想像はしていたけど、そうでないと思いたかった。
笑顔を作って病室に入った私に高取くんは優しい微笑みを浮かべる。その優しい微笑みに心が揺れた。
『こんなに素敵な笑顔をくれるのに、私の前からいなくなる』
さっきお兄さんに聞いたことが嘘のように穏やかでこの人に時間が残っていないとはどうしても思えなかった。でも、お兄さんのあの真剣な表情に嘘はない。
高取くんには私からは何も言えない。言えなかった。