君をひたすら傷つけて
「雅。篠崎さんの雑誌の撮影の方のスタイリングをお願いできないかな。ドラマの方は私がするから、雑誌の方だけお願い。服も小物も全部準備しておく。それに、ドラマの撮影が終わったらすぐに私も雑誌撮影のスタジオ入りする。私が来るまでの間、場を繋いで欲しいの」

 篠崎さんのドラマの撮影が遅れる可能性がある状況でリズはスタイリストとして付き添わないといけない。その状況では次の雑誌の撮影の準備をする人材が必要になる。私が雑誌の撮影に篠崎さんがスムーズに入れるようにすれば、エマもリズも助かる。これはまりえには出来ない仕事だから、私がするしかなかった。

 躊躇しないと言えば嘘になる。でも、今までずっと私のことを大事にしてくれたから、私も出来ることをしたいと思った。

「わかった。雑誌の撮影の準備は私がする。ドラマの撮影が終わっても片付けとかあるし、打ち合わせもあるでしょ。久しぶりだから、あまり自信はないけど、頑張るわ」

「ごめん。出来るだけ早く片づけをしてから、スタジオに行くから。それとくれぐれも身体を第一に考えて。無理しないで」

「うん。大丈夫。身体の調子を見ながら頑張るから」

 こうして、私が一日だけスタイリストとして仕事に復帰することになった。

 篠崎さんの仕事にスタイリストとして復帰するのは緊張する。自分に出来るかと言えば、自信はない。でも、洋服にしろ、小物にしろ、準備はリズがしてくれるから、私はその指示とコンセプトに従って動くだけ。それに、リズが来るまでの間を繋ぐだけ。

 そう自分に言い聞かせながら、その日を迎えることとなった。
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