君をひたすら傷つけて
時間が過ぎていき、時間丁度になって、篠崎さんはいつも通りに穏やかな微笑みを浮かべながら、スタジオに入ってきた。ドラマの撮影をしていて、そのままの衣装で来たのか、いつもの篠崎さんらしくない雰囲気だった。入ってきたのは篠崎さんとスタッフと思われる人が一人だけで、お兄ちゃんは居なかった。
篠崎さんが動く場所には必ずお兄ちゃんが今までは居た。でも、今日は別の人が篠崎さんに付いている。カメラマンと雑誌の担当者に挨拶をしてから、篠崎さんは私の方に真っすぐに歩いてきた。さっきまで撮影をしていたはずなのに、その疲れを一切見せずにいる。周りに気を遣わせないようにする優しさと心配りは変わってない。
「雅さん。久しぶり。元気にしてた?」
数か月も専属スタイリストから離れていた私に篠崎さんは話しかけてきた。リズとエマに全てを任せていた身としては、篠崎さんにまずは謝るべきだと思った。日本に帰ってきて、お兄ちゃんの意向もあったとは思うけど、篠崎海の専属スタイリストとして仕事をしてきた。それが今の私を支えている。
「ご無沙汰しております」
「堅苦しい挨拶はいいよ。リズさんとエマさんから色々と聞いているから。体調が悪かったのは知っているから、今日は無理しない程度にお願いします。それとイタリアでは里桜と里桜の両親に優しくしてくれてありがとうございました。里桜のご両親は今までで一番楽しい旅行だったと言っていたそうです」
篠崎さんが動く場所には必ずお兄ちゃんが今までは居た。でも、今日は別の人が篠崎さんに付いている。カメラマンと雑誌の担当者に挨拶をしてから、篠崎さんは私の方に真っすぐに歩いてきた。さっきまで撮影をしていたはずなのに、その疲れを一切見せずにいる。周りに気を遣わせないようにする優しさと心配りは変わってない。
「雅さん。久しぶり。元気にしてた?」
数か月も専属スタイリストから離れていた私に篠崎さんは話しかけてきた。リズとエマに全てを任せていた身としては、篠崎さんにまずは謝るべきだと思った。日本に帰ってきて、お兄ちゃんの意向もあったとは思うけど、篠崎海の専属スタイリストとして仕事をしてきた。それが今の私を支えている。
「ご無沙汰しております」
「堅苦しい挨拶はいいよ。リズさんとエマさんから色々と聞いているから。体調が悪かったのは知っているから、今日は無理しない程度にお願いします。それとイタリアでは里桜と里桜の両親に優しくしてくれてありがとうございました。里桜のご両親は今までで一番楽しい旅行だったと言っていたそうです」