イケメンすぎてドン引き!







もう友達じゃなくなっても仕方ないという覚悟だったのに、


あたしはズコーッと漫画のようにずっこけていた。



「だまされたー? 実はあたしたち付き合ってるよ~」


「やっぱりお前、気づいてなかったんだー。マジうけるー」



そう言って、目の前でヒロキ氏とミーちゃんは目を合わせ笑っていた。



はあぁぁぁーーー!?!? 何すかソレ!?



拍子抜けしたあたしは、顔中の筋肉から力が抜けてしまう。


きっとやる気のないムンクの叫びのような顔になっているはず。。



「あたしたち、オブちゃんがどうやったら彼氏できるか、結構考えてたんだよ~」


「暴露大会作戦、みたいな? こーでもしないとお前も本音さらけ出してくれなさそうだし」



得意げな顔でそう言う、ミーちゃん&ヒロキ氏カップル。



確かに笑顔で見つめ合う2人の間には、親密そうなオーラが漂っている。


ちきしょー。無駄にハートマーク散らしてんじゃねーよ。



あたしは思わず、


「ちょ、あたし大分ショック受けたんですけど!」


と反論したが、


「ごめんって~。ちなみに、あたしにとって吉野さんは、テレビのアイドルと同じような存在だから!」


「ごめんね~俺もオブちゃんは友達として好きだから許して」


と言って、2人はケラケラと笑っていた。



まあ、あたしのことを考えてくれていたのは嬉しいよ。


だけど。


やり方、めちゃくちゃ粗すぎですから!!!



「でも2人が付き合ってるの全然気付かなかった。いつから?」



「んー。6月くらいからかな」



「デートとかしてるの?」



「まだあんまりできてないし、今度ずっと行きたかったロシア料理店に行くんだよ~楽しみ」



ヒロキ氏と一緒にピロシキでも食ってろ! もう!




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