イケメンすぎてドン引き!
☆
もう友達じゃなくなっても仕方ないという覚悟だったのに、
あたしはズコーッと漫画のようにずっこけていた。
「だまされたー? 実はあたしたち付き合ってるよ~」
「やっぱりお前、気づいてなかったんだー。マジうけるー」
そう言って、目の前でヒロキ氏とミーちゃんは目を合わせ笑っていた。
はあぁぁぁーーー!?!? 何すかソレ!?
拍子抜けしたあたしは、顔中の筋肉から力が抜けてしまう。
きっとやる気のないムンクの叫びのような顔になっているはず。。
「あたしたち、オブちゃんがどうやったら彼氏できるか、結構考えてたんだよ~」
「暴露大会作戦、みたいな? こーでもしないとお前も本音さらけ出してくれなさそうだし」
得意げな顔でそう言う、ミーちゃん&ヒロキ氏カップル。
確かに笑顔で見つめ合う2人の間には、親密そうなオーラが漂っている。
ちきしょー。無駄にハートマーク散らしてんじゃねーよ。
あたしは思わず、
「ちょ、あたし大分ショック受けたんですけど!」
と反論したが、
「ごめんって~。ちなみに、あたしにとって吉野さんは、テレビのアイドルと同じような存在だから!」
「ごめんね~俺もオブちゃんは友達として好きだから許して」
と言って、2人はケラケラと笑っていた。
まあ、あたしのことを考えてくれていたのは嬉しいよ。
だけど。
やり方、めちゃくちゃ粗すぎですから!!!
「でも2人が付き合ってるの全然気付かなかった。いつから?」
「んー。6月くらいからかな」
「デートとかしてるの?」
「まだあんまりできてないし、今度ずっと行きたかったロシア料理店に行くんだよ~楽しみ」
ヒロキ氏と一緒にピロシキでも食ってろ! もう!