イケメンすぎてドン引き!
待って、と言いかけたところで、すぐ下の踊り場にあたしをにらむ女子軍団がいることに気がついた。
「うわーあいつまた先輩にまとわりついてるよー」
「まじストーカーじゃね?」
刺さるような視線と、ひそひそ声があたしを包んでいく。
先輩の姿も見えなくなり、女子たちに関わりたくなかったため、逃げるように自分の教室に戻った。
くそ。ちょっとくらい話してくれてもいいのに……。
いろいろ誤解されたまま、一方的に避けられている状態。
確かに、キスっぽいことめちゃくちゃ拒んじゃったし、彼女になってという言葉の返事もしていないけど。
(いや、今は避けられているし、返事ができない状況だ)
きっと、勝手に1人で悪い方向に考えて、心の扉を固く閉ざしてしまったのだろう。
あーーー! ホント、とんだネガティブ野郎だぜ!
――じゃないじゃない、冷静にならねば。
でも急にキ、キスとか受け入れられないよ!
そういうのは両想いになってからやるべきことじゃん? たぶん。
キス、か……。
あの時の先輩、初めて見る顔してた。
思い出すだけで、どくんと心臓が高鳴り、じんわりと胸のあたりが熱くなる気がする。
って、何1人でドキドキしてんだ? ぎゃー!