イケメンすぎてドン引き!


下駄箱前の人は途切れ、2人きりの状態。


今しかチャンスはない。



「逃げないでください! ちゃんと話がしたいんです!」


そう訴えると、ぽんと頭に手を置かれ、


「ほら、オブチさん俺といると、またいじめられたり悪口言われたりしちゃうよ。あの1年男子にも誤解されるだろうし」


と穏やかな口調で言われた。



優しいんだけど拒絶はされたまま。ぎゅっと心が締め付けられる。



あたしは言葉を詰まらせながら、


「だ、誰にどう言われても、先輩がどう思っていても、あたしは先輩と一緒にいたいです」と伝えた。



その時、がやがやと女子らしき高音の話し声がこっちに近づいてきた。


う、せっかく2人きりなのに誰か来ちゃう。



先輩は目をいぶかしげに細め、困ったような顔になっていた。



「……急ぐし、もう行くね」



「待ってください」



「ごめん。ついてこないで」



「先輩?」



「1人になりたいって言ってるの。分かってよ」



そう言って、視線をそらした後、


何もなかったかのようにあたしから離れていった。



「……っ」



先輩の後姿は遠ざかっていく。



近くにいる女子からヒソヒソと嫌な視線を向けられただけだった。



さっきの先輩の視線や口調……


あきれていたような、とても冷たいものだった。



不安な気持ちがどんどん体中をむしばんでいく。



泣くな泣くな!



まだ何も伝えられていないんだから。





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