イケメンすぎてドン引き!



吉野先輩は、ホチキスの針がきれたー、と言いながら、教室前方の文房具入れに向かっていった。



その間に、スミスさんに


「用事ってこれですか? なんであたしなんですか?」


とひそひそ声で聞いてみた。



「ほら、吉野クンって、モモカちゃんには自然に接してる感じするじゃん。

だから、3人でいたらオレも素の吉野クン見れるんじゃないかな~と思って」


とのこと。



「は、はぁ」



スミスさんは『イケメンモードが崩れた吉野クン』をどうしても拝みたいらしい。



「ね。モモカちゃん、ちょっと吉野クンにちょっかいかけてみてよ。お願いっ!」



はいーーー!?!?



ちょっかいって……。


そんなことしたら絶対、後で、トイレに流すぞ汚物コラ、とか怒られそうだな。



しかし同時に、さっき先輩のまゆ毛がぴくりと動いたことを思い出す。



ウププ……これ、ちょっと面白そうじゃね?



本音ガマン選手権! 吉野先輩はどこまで耐えられるでしょうか、的な?



スミスさんからのお願いだけど、

タダ働きさせられてる分、ちょっとくらいあたしも楽しんでいいよね?




「あのぅ、何か臭いませんか~?」



あたしはそう言って、スミスさんに目で合図をした。


すると、スミスさんはいたずらをする子どものような笑みを一瞬だけ浮かべた。



「えー? オレじゃないよー! 疑わないでよー! そういうモモカちゃんこそ……」



「ひどいっ! あ、あたしじゃないです!」



さすがスミスさん。


頭は悪そうだけど、さすが数々の女子を落とされてきたテクの持ち主。


ゴール近くであたしのパスを綺麗に受け止め、再びあたしにスルーパスをくれたようだ。



「オレらじゃないってことは……」


「もしかして……」



そう言いながら、あたしとスミスさんはゆっくりと吉野先輩へ顔を向ける。



「あはは、じゃ俺ってことでいいや。オナラなんて誰でもするもんでしょ。はい、2人とも手動かそうね~」



ちくしょう、全然動じねぇーー!


しかも後光(窓からの夕日)が射してやがるぞこのイケメンは!

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