イケメンすぎてドン引き!
「ほら、モモカちゃんって絶対そういうことに縁が無さそうだし、
ここでエロカワ女子演じて、普段とのギャップでびっくりさせよう! ってこと」
あ、なーるほど!
……じゃねぇーーーっ!!!!
おかしいよ、その作戦!
ってか、何気にあたしバカにされてない? まぁ、事実ですが。
「無理無理無、無理ですよ! おっしゃる通り、あたしそういうの全然分かんないですし、吉野先輩も絶対女の子として見てないですし、モテないですし、可愛くないですし、ひねくれてますし、クズ人間ですし、汚物ですし……」
「ちょ、ちょちょ、そこまでオレ言ってないじゃーん! 大丈夫、モモカちゃんは十分魅力的だから~!」
「は、はい?」
「ちょうど吉野クンが戻ってくるタイミングで本番スタートね~。ってことでまずは練習!」
ニッコリと笑ったまま、あたしを促すスミスさん。
対して、訳が分からず口をパクパクさせているあたし。
「まずはチャレンジしてみなきゃ~。モモカちゃんも女子力アップできるよきっと!」
うわ、この笑顔で見つめられると、弱い。
えーい! もうヤケだー!
「いやーん。いやーん」
「わお、すげー棒読み。そんな鞄の中で携帯のバイブ鳴ってるようなトーンじゃダメ! もっと気合入れて~!」
「うっ、あたし、だから、そういうの分かんないですから……」
恥ずかしさのあまり、どんどん顔が熱くなっていく。
な、何してるんだろう。あたしは。
「モモカちゃん」
スミスさんは優しくあたしを呼び、手を伸ばしてきた。
「大丈夫。自信持って。オレがちょっと手伝ってあげるし」
座ったままのあたしの手を取り、ぐっと立ち上がらせさせた。
勢いで、よろっとスミスさんの体にもたれそうになった瞬間。
彼の細くて綺麗な指が、あたしの頬をすっと撫でた。
……え?