イケメンすぎてドン引き!


何もできないでいると。



「……っ!」



もう片方の手は、あたしの腰にまわされてしまい、

全身がびくりと反応してしまった。



なにこれ。くすぐったさとは違う。



壊れそうなものを扱うような、

スミスさんの優しい手の感触が、あたしの体に溶け込んでいくよう。



「……ねぇ。もっとオレに心開いてよ」



そう言って、スミスさんはあたしをゆるく抱きしめた。



彼の温もりと、ふわっと漂う大人っぽい香りに全身が包まれていく。




あれ……?



どうしてこんなことになってるんだ!?



抵抗しなきゃ!


抵抗しなきゃ!



でも、何で?



そんな泣きそうな声で、優しい手で、あたしに触れてくるの――?



< 93 / 262 >

この作品をシェア

pagetop