イケメンすぎてドン引き!


対して、スミスさんは、


「えーと。吉野クン、何かそれひどくない? 女の子のこと汚物って言うなんて」


と冷静に返した。



さすが。ミスター女好きのスミスさん。


女の子を悪く言うヤツは許さん的な考え方をしているらしい。



吉野先輩は「まずっ」とつぶやいた後、


「って俺何言っちゃってるんだろう! 違う違う! 汚物……じゃなくて、オブツ……ィーさんって言おうとしたんだった! そうそう、汚物じゃなくて、オブツィーさん、ね!」


と早口でまくしたてた。



「あたし、そんな呼ばれ方されたこと一回もないんですけど」



テンパってるらしい吉野先輩を見てると、

あたしも冷静になってきたため、そうマジレスしてしまった。



ひっ、と吉野先輩は片方だけ口角を上げて、頭をぼりぼりかき始めた。



「あ~。ほら、スミスって、オブチさんみたいな系統の子、結構好きじゃん。でもオブチさん男慣れしてないから、手を出すなって……言いたかっ……た……。

って、俺バカじゃね? ……何やってるんだろう……っ」



目の前にいる先輩の背中が丸まっていくとともに、


その声も次第に揺らいでいく。




えーーーーー!?!?!?



もしや、泣いちゃうんですかーーーーー!?





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