とんだ勘違いから



「あなた、日本人?」

飲み過ぎて公園のベンチで寝転んでいるところ、薄っすらと目を開けると綺麗な顔した女が声をかけてきた。
だが俺は今女なんてどうでもいい、そう思って放っておいて欲しくて

「近付くな、ブス」

かなり酔っていて意識も朦朧としていたのもあったがこれだけは言ってやった。


初めてだ、女にブスなんてことを言ったのは。






もうどうでもいいや、そんな気分でこのまま俺は殺されてもいいなんて自暴自棄になりながら、酔った勢いに身を任せてベンチで寝ていた。














だが目が覚めるとベッドに寝かされていた。

ベッドサイドには水と二日酔いのためのドリンクが置かれていた。







体を上げて部屋を見回す。

病院ではない、ホテルでも留置場でもない、部屋の寝室みたいだ。

シンプルな部屋だが綺麗に整頓されている。


そんな時ベッドルームのドアが開いて


「起きた?

あんなところ寝て目覚めたら裸だよ?


全く、あんなに飲んであの公園に行き着くなんて、まるで襲ってもらいたいの?」


なんて笑いながらひょこっと顔を出したのは綺麗な顔をした女だった。



「いや、そんなつもりではないのですが。



......すいません。」


にっこり笑っている彼女を見て俺は恥ずかしく思った。

どうしてここにいるのか全く覚えていなくていきなり出てきた彼女に恐縮するばかり。




「ホント、酔ったあなた運ぶの重かったんだからね。」


誰かに運ばれているような気はしていた。フワッと持ち上げられてそれは夢なんだと思っていた。

でも、俺は今彼女の部屋にいるみたいだ。




「え?


あなたが俺を?


運んだんですか?」


まさか、そんなことはあるまい、彼氏に頼んだろうと思って返すと


「そうよ。なんで?

こんな格好してたらあなたのこと運べない華奢な女に見えるから?




それなら嬉しいんだけど!」


なんて言いながらピョンピョン跳ね出した。



なんなんだ、こいつ。


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