あなたと恋の始め方①
 朝からモーニングコールする?


 これが今の高校生の恋愛かどうか分からない。でも、私も朝一番に小林さんの声を聞きたいかもしれない。これから研究は忙しくなる。そんな私が朝から小林さんの声を聞くことが出来るというのはご褒美?に他ならない。


「わかりました。では6時半に電話します。起きるまで鳴らしますから、絶対に起きてくださいね」


「うん」


 まるで子どものように嬉しそうに頷く小林さんを可愛いと思ってしまった。そして、本当に好きだとも思い、離れたくないと思う。でも、そんな私の気持ちを裏切るかのように小林さんの運転する車は私のマンションの前に着いてしまう。さすがに帰らないといけない時間なのは分かっている。でも、でも、高校生じゃない私もいて、帰りたくないと思ってしまった。


 でも、それは言えない。


「ありがとうございました。じゃあ、また明日」


「うん。あの、美羽ちゃん」


 私が荷物を持って、降りようとすると、小林さんが私を呼び止めた。そして、すっきりとした爽やかな笑顔を私に向けた。その笑顔に私はドキッとしてしまい、胸がキュッともなる。眩しい笑顔に吸い寄せられるように私の視線は囚われた。


「俺、本当に美羽ちゃんのこと大事にする。俺を選んだことで美羽ちゃんが後悔なんかしないようにする」


 小林さんは折戸さんが私にプロポーズしたことが気に掛かっているのだろう。でも、私はずっと小林さんが好きだった。その小林さんが私のことを好きで、私の一番最初の彼になってくれたのだから後悔なんかしない。する理由がない。

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