あなたと恋の始め方①
「私、ずっと小林さんの事が好きでした。だから、後悔なんかしません。」


 そう嬉しいと思うけど、後悔なんかしない。私のとって小林さんは特別。そんな私の気持ちを聞きながら、小林さんはフッと息を吐き、零れるのは聞こえるか聞こえないかの小さな声だった。


「マジでヤバい」


「え」


「さっきの自分の言葉を取り消したくなった。美羽ちゃんが可愛すぎて。俺が社会人に戻る前に美羽ちゃんは部屋に帰って」


 高校生からの恋愛をする予定が社会人?小林さんの言っている『マジでヤバい』の意味も分からない。何か我慢しているかのような小林さんの様子に気にはなるけど、こんな表情を浮かべた小林さんが教えてくれるとは思えなかった。何時もは優しいのに、こういう時は絶対に教えてくれない。さっきの高校生→社会人のヤバいの意味は教えてくれそうもない。でも、私がまた何か地雷でも踏んだのだろうとは想像出来た。


「明日の朝、美羽ちゃんの声で起きれるのを楽しみにしてる」



 そういうと、後部座席に小林さんが手を伸ばすと、小さな袋を私に手渡した。さっきのコンビニで買っていたもので、中にはチョコレートが一箱入っている。確かコマーシャルが流れていた気がする新製品だと思うけど、まだ私は食べたことなかった。



「これ、私に?」

「新作だって。美羽ちゃんにって思って買った」


「これを買うためにコンビニに寄ったのですか?」

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