あなたと恋の始め方①
「はい。分かっています。でも、まだ私と決まったわけでもないですし、それに、高見主任が下さった時間ギリギリまで考えると思いますが、今、日本を離れたくないというのもあります」
「それは分かる。でも、先輩研究員としては勿体ないとも思う」
研究所の玄関のガラスの扉の向こうに駐車場に止まる小林さんの車が見えた。ガラス越しだけど、私には運転席に座る小林さんがハッキリと見える。姿を見るだけでドキッと心臓が飛び跳ねる。会えて嬉しいと心は素直すぎる。歩く度に小林さんとの距離が縮まるのが嬉しい。
「もう来てるな。あれからすぐに来たのだろうな」
横を歩く中垣先輩の静かな声に素直に頷く。メールをしていてよかったと思う。待っていてくれるというのは途轍もなく嬉しさを感じる。
「中垣先輩。ありがとうございます」
「何が?」
「メールです。私なら、研究所を出てからメールしたと思うので小林さんを待たせずに済みました」
「そんなに変わらない。ただ、こんな夜中に研究所の前だとはいえ、部下の女を一人で待たせて何かあったらいけないだろう。管理不行と取られるのも困る」
そうは言うけど、実際に本屋に小林さんが行ってしまった後なら、もっと私は研究所の前で待たないといけなかった。そして、小林さんと会う時間は明らかに少なくなったと思う。
そんな話をしていると、歩いてきた私たちに気付いたのか、小林さんが運転席から降りてきたのだった。
「それは分かる。でも、先輩研究員としては勿体ないとも思う」
研究所の玄関のガラスの扉の向こうに駐車場に止まる小林さんの車が見えた。ガラス越しだけど、私には運転席に座る小林さんがハッキリと見える。姿を見るだけでドキッと心臓が飛び跳ねる。会えて嬉しいと心は素直すぎる。歩く度に小林さんとの距離が縮まるのが嬉しい。
「もう来てるな。あれからすぐに来たのだろうな」
横を歩く中垣先輩の静かな声に素直に頷く。メールをしていてよかったと思う。待っていてくれるというのは途轍もなく嬉しさを感じる。
「中垣先輩。ありがとうございます」
「何が?」
「メールです。私なら、研究所を出てからメールしたと思うので小林さんを待たせずに済みました」
「そんなに変わらない。ただ、こんな夜中に研究所の前だとはいえ、部下の女を一人で待たせて何かあったらいけないだろう。管理不行と取られるのも困る」
そうは言うけど、実際に本屋に小林さんが行ってしまった後なら、もっと私は研究所の前で待たないといけなかった。そして、小林さんと会う時間は明らかに少なくなったと思う。
そんな話をしていると、歩いてきた私たちに気付いたのか、小林さんが運転席から降りてきたのだった。