あなたと恋の始め方①

初めてのデート

 土曜日の朝は私の気持ちを表しかのような青空が広がっていた。起きた時間は七時でカーテンを開けると思ったよりも綺麗な空が広がっていて、今日という一日が楽しめるのではないかと期待する。


 今日は小林さんとの『遊園地デート』の日。車も使わず、高校生のようなデートをする予定だ。窓から入ってくる朝の白い光を身体中に浴び、腕を伸ばすととりあえずコーヒーを飲んで、脳を起こしてから用意をしようと思う。リビングに置いてあるソファに座ると天井を仰ぎ見ると、見慣れた天井なのに何処か違って見える。


 期待と緊張。


 今日は小林さんとの初めてのデート。恋愛経験の皆無な私のために『高校生のような遊園地デート』を提案してくれたのは小林さんの優しさ。でも、少しだけ気になるのは私がこういう経験をしたことがないということ。気の利いたことも言えないと思うから、小林さんを退屈させるのではないかと心配になる。


 小林さんと一緒なら私は絶対に楽しめると思う。でも、私よりももっと小林さんには楽しんで貰いたい。そのために何をしたらいいのかが、恋愛スキルが皆無の私には難しいミッション。


 コーヒーを飲みながら簡単な食事をする。テレビを着けるとちょうど天気予報があって…勿論、快晴の太陽のマークが輝いている。天気がいいならそれだけで出足は好調と言ったところかもしれない。


「何を着て行く?やっぱり、ワンピースとかかな?」


 洋服は自分の持っている中では一番可愛いものを選んだつもりだけど、所詮は私のワードローブだから変わり映えがしないのが現実で、逆立ちしても昨日の川田さんや住田さんのような華やかな女の子らしい色合いのものはなかった。
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