あなたと恋の始め方①
 小林さんの電話が終わるまでの時間潰しと思って入ったのは可愛らしい大人の女の子が持っても可笑しくないようなグッズの並ぶ店だった。遊園地だから一般的には幼稚園児や小学生が喜ぶようなお土産物も多い。そんな中で私が入った店は社会人である私が使っても可笑しくないような大人向きの商品の並ぶ店だった。


 上質な革を利用して作られたものには小さく可愛い焼印が押されてあってこの遊園地でしか買えないという証もあるけど普通に使っても十分素敵だと思えるものが多かった。その中でもつい目を奪ったのはキーホルダーだった。革で出来たストラップの上の方にコロンとした可愛らしいクリスタルで出来たモチーフが付いていては手に取るをキラキラと眩く光を反射する。


 ちょうど自分の部屋の鍵に使っているキーホルダーがボロボロになっているから今日の記念に買おうかと思う。値段はそれなりにするけど、それでも今日の記念に欲しいと思った。


「それ欲しいの?」


 急に後ろから声がして、吃驚して振り向くとそこにはいつ電話を終えたのか分からないけど、小林さんが立っていた。さっきまでの電話の雰囲気が嘘だったかのように笑っている。


「可愛いなとは思ったのですが、悩み中です」


「じゃ、さっきのケーキのお礼に俺がプレゼントしようか?」


「それじゃ私がお祝いした意味がないです」


「じゃ、お揃いで買わない?それって男の俺が持っていても可笑しくないでしょ」



 上質の革のストラップのついたキーホルダーはモチーフがいくつか選べるようになっている。その中には男の人が使っても可笑しくないものもあるので小林さんが持っても全然大丈夫だと思う。
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