あなたと恋の始め方①
 少しだけ進んだ恋にドキドキはするものの嫌な気持ちにはならない。素敵な遊園地の空間で私は大好きな人と一緒にいる。その大好きな人はとっても優しいし、格好いい。一緒に時間を重ねる度に好きになる私は…どうなってしまうのだろうかと思うほど小林さんのことが好きで堪らなかった。


「ちょっと恥ずかしいけど幸せです」


「誰も見てないから恥ずかしがらなくていいよ。あ、俺は見ているけど」


 そんな幸せな感覚に私は浸る。


 今は普通の高校生でさえ、唇を重ね、身体を重ね…。それが当たり前のようになっている今、小林さんと私の恋のスピードは物凄く遅いと思う。それでも、小林さんは嫌な顔一つせずに私の気持ちが人並みになるのを待っていてくれている。そんな思いに触れるたびに、私の心の中での今までと違う小林さんへの思いが溢れそうになる。


「小林さんも見ないで。恥ずかしい」


「美羽ちゃんが可愛いから無理」


 そう言って当たり前のようにいう小林さんにもっと近付きたいと思う。自分の気持ちを上手に伝えることが出来るかわからないから、『好き』という言葉に自分の気持ちを重ねる。


 それしか今の私には出来ないから。


「小林さんも見ないで」


「それは無理だよ。だって高校生は卒業したし」


 高校生デートを卒業したのと、私を見るのは違うと思うけど、小林さんの中では決まっていることなのだろう。それにしても時間が過ぎるのが早い。夕方を過ぎてしまい、そろそろ帰らないといけない時間になっていた。

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