あなたと恋の始め方①
「美羽ちゃんが来てくれて嬉しいよ。その様子だと蒼空ともうまくいっているもみたいだし、よかった」


 それは折戸さんの心からの言葉だというのが分かる。私の恋を応援してくれている。折戸さんが私を思ってくれていたのに、それでも私の幸せを自分のことのように喜んでくれる。そんな心の広さと優しさに私は甘えている。でも、変に気を使う方が折戸さんは嫌だろう。だから、私も折戸さんの前では素直でいたい。


 自分を偽ることなんか私には出来ない。自分をよく見せることなんか私には出来ない。だから私は私のままでしかいられない。



「小林さんには優しくして貰ってます」


「そっか、それなら良かった。俺が言わなくても分かっていると思うけど、蒼空は本当に真っ直ぐでいい奴なんだ。俺も蒼空の事が大好きだから、美羽ちゃんの気持ちもわかるよ。でも、もしも、蒼空に泣かされることがあったら俺に言ってくるんだよ。俺がフランスからやってきて蒼空を叱ってやるから」


 そういうと、眩しそうに目を細めて微笑むとまるで子どもをあやすように私の頭をポンと撫でた。叱るって…。やっぱり保護者化している。そう思いながらも、やっぱり折戸さんの優しさに私は甘えていた。あんなに大事にして貰って、私は何も折戸さんに返せてない。


「蒼空」


 
「は、はい」
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