あなたと恋の始め方①
『楽しみにしているよ。じゃあ、後でね。一時間くらいしたら迎えに行くから』


『はい。じゃ、待っています』


 小林さんとの電話が終わると手に持ったまま携帯を見つめ、私はゆっくりと意識が覚醒する。ぼーっとしていたら、このままの姿で小林さんを迎えを待つことになってしまう。それはさすがに困る。


 私に残された時間は一時間で、この間に私はダッシュで用意しないといけない状況だった。シャワーも浴びたかったから時間はきっと足りないだろう。小林さんは急がせる人ではないけど、少しでも早く会いたいなら準備を急ぐしかない。


 電話が切れてからの私はベッドを飛び降りた。そして、そのままバスルームの飛び込むと頭から熱いくらいのお湯を浴びる。そして、身体中を必死に洗い、そして、香りのいいジェルで身体をマッサージする。ゆったりマッサージなんかする時間はないけど、少しでも綺麗になりたくて、手を身体の上を滑らした。



 これは同じ研究所の同僚の教えて貰ったことで血流が良くなって肌の色が良くなるうえに仄かに香るジェルの香りがいいと。香水なんかよりも余程いいと言っていたのを買ってきて貰っていた。それを身体に塗ると言われたとおりにマッサージした。


 シャワーが終わり、身支度が終わった私は先週買ってきたばかりのワンピースを身に着けていた。今日のデートはこれを着て行きたかった。


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