あなたと恋の始め方①
高見主任が『春』というからには何かある。
それは一緒に働いたことがあるからこそわかる勘ではあるけど無謀だった。明確な理由は分からないけど、その時期に拘るのには何かある。でも、出来れば折れて欲しい。本社営業一課でも限界ギリギリまでを攻める高見主任はここでも中垣先輩と私の限界を攻めてくる。
見極めが凄い。そして、高見主任の次の手は折戸さんだったのかもしれない。タイミングなんか合わせてないはずなのに、穏やかに微笑みながら、中垣先輩と私にゆっくりと聞きやすい声で話し出したのだった。でも、この声を聞いて私は……終わったと思った。
「取り合えず春に照準を合わせて、途中で何度か修正を入れるというのはどうかな? 研究はそんなに簡単に出来ないのはわかっている。でも、頑張って欲しいです。この製品はとってもいい。だから、少しでも早く一段とよくなった製品を売りたいというのは営業としての意見なんだよ。それに他社でも製品開発の動きがあるんだ」
これが高見主任が『春』に拘った理由。
折戸さんは高見主任の言葉を少し柔らかくしながら、中垣先輩に伝えると、臨戦態勢緊張状態だった中垣先輩は折戸さんの言葉に少しだけ表情を緩めるのだった。それを悟ったかのように折戸さんはニッコリと微笑んだ。
「高見主任は優しいから負担を掛けたくなくて他社新製品のことは言わなかったんですが、つい俺が話してしまいました」
「間に合わないと思ったら?」
「その時はその時ですね。出来てないものを売るわけにも出来ないでしょ。あくまで照準ですよね。高見主任」
それは一緒に働いたことがあるからこそわかる勘ではあるけど無謀だった。明確な理由は分からないけど、その時期に拘るのには何かある。でも、出来れば折れて欲しい。本社営業一課でも限界ギリギリまでを攻める高見主任はここでも中垣先輩と私の限界を攻めてくる。
見極めが凄い。そして、高見主任の次の手は折戸さんだったのかもしれない。タイミングなんか合わせてないはずなのに、穏やかに微笑みながら、中垣先輩と私にゆっくりと聞きやすい声で話し出したのだった。でも、この声を聞いて私は……終わったと思った。
「取り合えず春に照準を合わせて、途中で何度か修正を入れるというのはどうかな? 研究はそんなに簡単に出来ないのはわかっている。でも、頑張って欲しいです。この製品はとってもいい。だから、少しでも早く一段とよくなった製品を売りたいというのは営業としての意見なんだよ。それに他社でも製品開発の動きがあるんだ」
これが高見主任が『春』に拘った理由。
折戸さんは高見主任の言葉を少し柔らかくしながら、中垣先輩に伝えると、臨戦態勢緊張状態だった中垣先輩は折戸さんの言葉に少しだけ表情を緩めるのだった。それを悟ったかのように折戸さんはニッコリと微笑んだ。
「高見主任は優しいから負担を掛けたくなくて他社新製品のことは言わなかったんですが、つい俺が話してしまいました」
「間に合わないと思ったら?」
「その時はその時ですね。出来てないものを売るわけにも出来ないでしょ。あくまで照準ですよね。高見主任」