あなたと恋の始め方①
高見主任は着ていたスーツの上を脱ぐと、ネクタイと緩める。そして、その横からの折戸さんからの視線も痛い。今からの時間がゆったりと食事を楽しむだけの時間だけでは無さそうな気がするのは何故だろう。時間の喧騒を忘れさせそうな店でも目の前の二人から逃げられないだろう。世間話で終わらせて欲しいと心から思う。
「お久しぶりです。今日は高見主任がくるとは思わなかったので驚きました」
「静岡支社にも仕事があったからね。今日は課長の代理。部長はアメリカに出張しているから、俺に白羽の矢が立った。取締役とは前々から何度か一緒に仕事をしたことがあったので、今回は俺が来ることになったのかもしれないな」
そんな高見主任の言葉に折戸さんはニッコリと笑った。
「取締役は課長が来るよりも高見主任が来る方が良かったと思いますよ。そうじゃないと所長と一緒に部屋で歓談なんか出来ない。今は所長と一緒に静岡支社に行っていると思いますが、研究所の視察のことなんか覚えてないかもしれないですよ。高見主任の知っている人なら尚更」
高見主任が実際に視察して、取締役はその報告を待っているってこと?そんなのアリなの?
「取締役は所長と大事な話があるから、俺が先に見て回っただけだよ。人聞きの悪いことを言うな。折戸はフランスに行ってから言葉を使い方を忘れたようだな」
「そうですね。自己主張の仕方を覚えたとでも言っておきましょうか?」
そう言って穏やかに笑う折戸さんに口の端を上げる高見主任。そして、どうしてこの場にいるのだろうかと思う私が居た。
「お久しぶりです。今日は高見主任がくるとは思わなかったので驚きました」
「静岡支社にも仕事があったからね。今日は課長の代理。部長はアメリカに出張しているから、俺に白羽の矢が立った。取締役とは前々から何度か一緒に仕事をしたことがあったので、今回は俺が来ることになったのかもしれないな」
そんな高見主任の言葉に折戸さんはニッコリと笑った。
「取締役は課長が来るよりも高見主任が来る方が良かったと思いますよ。そうじゃないと所長と一緒に部屋で歓談なんか出来ない。今は所長と一緒に静岡支社に行っていると思いますが、研究所の視察のことなんか覚えてないかもしれないですよ。高見主任の知っている人なら尚更」
高見主任が実際に視察して、取締役はその報告を待っているってこと?そんなのアリなの?
「取締役は所長と大事な話があるから、俺が先に見て回っただけだよ。人聞きの悪いことを言うな。折戸はフランスに行ってから言葉を使い方を忘れたようだな」
「そうですね。自己主張の仕方を覚えたとでも言っておきましょうか?」
そう言って穏やかに笑う折戸さんに口の端を上げる高見主任。そして、どうしてこの場にいるのだろうかと思う私が居た。