あなたと恋の始め方①
 ビールとウーロン茶。そして、おつまみというよりはガッツリとした食事という感じの料理を頼んでから一緒の時間が始まる。小林さんとの過ごす時間は楽しい。話しているのは仕事の内容ばかりだけど、とっても面白い。小林さんのことをもっと知りたいと思う私にはいくら時間があっても足りないくらいにアッと言う間に時間が過ぎていく。


 今の小林さんは高見主任と同じ地位にいる。本社と静岡支社とでは規模が違うけど、営業課の主任となった小林さんは私が想像する以上に仕事はたくさんあるらしい。でも、そんなに忙しい仕事をこなしていても余裕があるように感じる。あの高見主任と折戸さんの下で働いていたからか普通の主任レベルの仕事は軽くこなすのだろう。


 静岡支社の営業課では成績はかなり突き抜けているらしい。


「で、美羽ちゃんの仕事はどう?」


 軽くビールの入ったジョッキを傾けながら、私の方を真っ直ぐ見つめる。そのまっすぐな視線にドキッと胸が飛び跳ね、私が飲んでいるのはウーロン茶なのに、お酒に酔ったかのよう顔が熱くなる。小林さんは端正な顔をしていると思う。そんな中で無邪気な微笑みを向けてくるから…ドキドキが止まらなくなる。


 好きなのは顔とか姿形ではなくて小林さんの中身。優しくて思いやりがあって…そして、ちょっと無邪気なところがとっても魅力的。一緒にいてとっても楽しい。


 でも、そんな小林さんが静岡支社でモテないわけはない。

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