白と黒、そして白濁
「まあまあ、昔のことは水に流しましょ。それよりこのかわいこちゃん、お客様だよ」
「ふんっ。あんた、人探しだろ。そいつの名前は?」
「波飛よ、波飛。王宮へ行くのに喧嘩をしてしまって…」
周りの男性がざわついた。鈴蘭も驚きの目で私を見ている。
「え?え?」
「フッ。その依頼は受けられない」
女性は煙草を吸い始めた。
「どういうことなの?お願いだから、教えてちょうだい」
「いいよ。教えてやろう。あたしたちのこと、そいつのこと。いいかい?」
女性は鈴蘭の顔を見た。私も鈴蘭の顔を見上げた。鈴蘭はひどいくらい青ざめて、今にも倒れそうになっていた。
「鈴蘭…?」