手のひらサイズ
竜樹と付き合う様になり毎日が
楽しかった。

それは、一本の電話からだった。

「はい、秘書課山科です。はい、少々お待ちください。」
保留ボタンを押し
「田中さん、外線2番から電話です。」

「はい、お待たせいたしました。
秘書課、田中です。」

「田中…瞳さん?いつも可愛い笑顔
ありがとう。今日は、白のスカートだね
似合ってるよ。」
「どちら様ですか?あの…。」
震えが止まらない。
受話器を投げ出しデスク下に
しゃがんだ。

「イヤ!」
「どうしたの??ねぇ!!瞳ちゃん!
大丈夫? 専務!専務!瞳ちゃんがー!」
「どうした!何があったんだ!
」田中…?瞳!しっかりしろ!瞳!」
私は、恐怖のあまり気を失った。


カタっと何かが動く音。

「イヤ〜!」
「瞳。大丈夫だ。俺だよ。」

「竜樹…。怖い。怖いよ。」
俺は、強く抱きしめた。
「側にいて…。竜樹…。」
「いるよ。ちゃんとここにいる。落ち着くんだ。」

「瞳…。俺の家においでそしたら心配しなくて済むから。警護もつけるだから
安心して?」
「竜樹…。帰りたい。」
壊れそうな瞳を一人にして置けなかった
車に乗せ自宅に連れて行った。

ベットに寝かせ部屋を出て行こうとした
「イヤ!側にいて…。」
真っ赤な目で泣き続ける瞳。

「瞳…。ご飯食べて、お風呂入って
今日は、一緒に休もうか。」
「竜樹?ありがとう。」
抱きつく瞳。

ゆっくりお風呂に入って、
今、眠ってくれた。

俺は、リビングで有る人に電話した。

「信次。久しぶりだな。頼みがあるんだ
あー。そうだ。近辺の監視カメラを
あー頼む。何かわかったら連絡してくれ

信次は、地元警察の幹部。
俺の悪友だ。
男気の有るヤツでかなりの色男。
署内以外からも、ヤツ目当ての女が
わんさかやってくる。
信次には、5年間付き合い結婚した
綾がいる。モデルをしていた美人。
中身は、男見たいなヤツ。というのも
高校の同級生。
そのうち、瞳にも紹介しようと思っていた矢先。こんな事で、会う事になるなんて考えても見なかった。

瞳…。お前は、俺が守る!
全力でな!!



< 20 / 29 >

この作品をシェア

pagetop