溺愛宣誓
そんな願いと共にチラチラ織田さんを伺えば、流石織田さん、私の訴えに気付いたらしい。
織田さんはふっと口角を上げて私の頭をぽんっと撫でた。
「ああ。ひょっとしてカノは俺が不審者と間違われてるんじゃないかって心配してるんだな。」
「え、えっと、その…」
「それは無いから安心しな。カノと付き合う事になって早々にあの辺りの人達には洩れなく挨拶しておいたから。“カノの彼氏の織田です”って。」
「えっ!?あの辺全員!?」
「うん。全員。特に男にはこれでもかって程挨拶しておいたからな。」
わぁ…
近隣住人ヘのご挨拶なんて引っ越し時にするくらいだと思ってたのに、こっ、こっ恋人になった相手の周囲にもするのが礼儀なんだ。
そうだよね。
今回のように住人ではない人物がフラフラしていたら住人に不安を与えてしまうものね。
流石織田さん!
何でも知っている。
それに
「織田さんはヤッパリ凄いですね!私なんてあそこに住んでかれこれ三年以上経ちますが未だに会った事のナイ人もいるってのに…。」
「色々差し置きそこに着目するカノに惚れ直す。」
何故か唐突に惚れ直されて、意味が分からないまでも真っ赤になる私。
「まぁ、そんなワケで俺が当該者なら、“不審者”じゃなく“カノの彼氏の織田さんが”って言われてる筈だからな。」
「あ。そうか。さすが織田さん!」
織田さんが不審者扱いされてるんじゃないと分かってホッとする私。
しかし容疑が晴れた当の織田さんは渋い顔をしている。