溺愛宣誓

織田さんは徐に切なげな眼差しを私に向けて言った。


「すまない…。この世の中でカノよりも大切な物などありはしないけれど、今日ばかりはこのクズを優先させる俺を許して欲しい。頼られたからには力の限り応えてやるのが漢というもの…。何より、コイツ等がまんまと上手くいけば邪魔者は居なくなるしな……。」

「男の友情を大切にする織田さんも優しくてステキです……。」


キュンキュンする私の横でお巡りさんは


「え?なんか最後のが物凄く偽らざる本音って感じですが?大体“何より”って言っちゃってるし…。というかクズって酷い…。」


と小さく突っ込む。


「暫く会えなくなるが我慢して欲しい。このミッションを終わらせたら直ぐにでも二人の時間を取り戻すから…。」

「は、はいっ。私なら大丈夫ですから。織田さんの事しししし信じて待ってますから…だから、お巡りさんの為に頑張って下さい!」

「…………あの。今日金曜日で、週末ってさしあたり明日なんですが?なんなのその“今生の別れ”コントは…。」


お巡りさんの力無いツッコミを余所に私は胸を高鳴らせながら甘く熱い眼差しの織田さんと見詰め合うのだった。



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