山桜
『若先生…』

源三郎がそう言って頭を下げる

この男が近藤勇…

確かに豪胆そうな雰囲気を持っている
しかし今、柔和な表情からは想像出来ぬ威圧感も感じる…

山南は服装を整え、近藤に向かって深く礼をした

『北辰一刀流、山南敬助と申します
是非お会いしたいと思い、訪ねて参りました』

近藤はその目を丸くした

『私に…?』

山南は頭を上げ、微笑んだ

『失礼でなければ、しばしお時間をいただき、語り合った後、お手合わせでも…』

近藤は考える表情をしたが、すぐに笑顔を見せた

『お話をするのは構わないですが…
我が道場は他流試合を禁じております
北辰一刀流であれば尚更、我が貧乏道場と手合わせしたとなると看板を汚すことにもなりかねません』

山南は内心驚いた
この男には野心がないのか…?

『それならば無理にとは言いません…
では、少々語り合う時間を私にください』

山南は深々と頭を下げた
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