溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
自然と、身体が動いた。
気づけば、そのままジェイドさんへ向かって飛び降りていた。
受け止めてくれると、彼なら信じられたから。
受け止めて貰えて、そのまま腰を支えられてジェイドさんの蕩ける顔を見下ろす形になってしまった。
「飛び降りるとは、――キミには本当に驚かされる」
「あの、降ろしてください」
「うん」
ジェイドさんは適当に相槌を打っただけで、離しはしなかった。
ただ、腰を持っていた手が、するりと背中に回されて、上手にお姫様抱っこへとポーズを変更させられた。
「やはり、軽い」
「また、そんな事を言う」
「初めて会った日と同じ。全然、変わっていないよ。大丈夫だ」
そう、優しく言われて見つめられたら、目が逸らせなかった。
見つめ絡み合う視線。
抱き締められる腕が熱くて、翡翠色の瞳が綺麗で、
私とジェイドさんは声を出すことさえ忘れて、見つめあっていた。
胸が締め付けられて、息を吸うのも忘れてしまうような、時間。